走るきっかけは、【ダイエット】と【鬱からの生き直したい気持ち】だった
今では「走るパティシエ」として見てもらえることも増えましたが、最初から立派な理由があったわけではありません。
走り始めたきっかけは、とてもシンプルで、ダイエット目的でした。
もともと太りやすい体質でもあり、仕事柄、甘いものに囲まれる毎日。
「このままではまずいな」と思い、体を動かし始めたのが最初の入口でした。
でも、本当の意味で“走ること”が自分の人生に入ってきたのは、別の理由からだったと思います。
22歳の時、うつ病になった
22歳の時、仕事や人生のストレスが重なり、うつ病になりました。
そこから回復するまでには、5年以上の月日がかかりました。
当時は、本当に苦しかったです。
自殺を考えることもありました。
でも、今振り返ると、あの頃の自分の中には、ただ「死にたい」という気持ちだけではなかったように思い
その奥には、
「本当は生きたい」
「でも、この苦しさをなんとかしたい」
「このままでは終わりたくない」
そんな気持ちも確かにあったのだと思います。
「死んだ気持ちで、人生をやり直そう」と思った
うつの中で、自分の人生が一度終わってしまったような感覚がありました。
だからこそ逆に、「どうせ一度終わったようなものなら、死んだ気持ちで人生をやり直してみよう」と思いました。
その時に取り組んだことの一つが、ジョギングでした。
いつ自分のメンタルが戻るのか分からない。
いつ、また青春のような気持ちで毎日を過ごせるようになるのかも分からない。
だったら、その日が来るまで、とりあえず20代の体力だけは落とさずにおこう。
そう思ったのが、自分にとって本当の意味での「走るきっかけ」だったのかもしれません。
今では、あの頃より体力がある気もします。
人生って分からないものです。笑
走ることは、自分の一日の熱量を高めてくれた
走るようになってから、自分の中で一つわかったことがあります。
それは、走ることは単に体力をつけるだけではなく、自分の一日に使える“熱量”そのものを高めてくれるということでした。
走る時間は、人生の熱量を整える時間だった
走るには、当然ながら時間も労力も必要です。
でも逆に言うと、その時間と労力をあえて使うことで、自分の中のエネルギーの巡りが良くなる感覚がありました。
何かに取り組む力。
一日を前向きに過ごす力。
やる気が出ない日を立て直す力。
そういうものを、自分は走ることで保っていたのだと思います。
暇な時は走る。
やりがいがなかった日は走る。
気持ちが少し沈んだ時も、とりあえず走る。
20代から30代にかけて、自分にとって走ることは「体づくり」というより、人生を少しでも充実させるための習慣になっていました。
走ることで、自分を立て直してきた
走っていると、全部が解決するわけではありません。
でも、不思議と少しだけ前を向けることがある。
頭の中が整理されることがある。
苦しい日でも、「今日も何とか一日をやった」と思えることがある。
自分にとって走ることは、勝つためだけでも、記録を出すためだけでもなく、人生を立て直す手段でもありました。
h2 好きな仕事だけではなく、好きな仕事で人生を豊かにしたいと思った
今では少しずつ変わってきたのかもしれませんが、自分が若い頃のパティシエという仕事は、朝が早く、夜が遅いのが当たり前の世界でした。
修行時代から、ずっと思っていたことがあります。
「本当にこれだけが正解なんだろうか」
もちろん、仕事は好きでした。
ケーキ作りも好きでした。
でも、それだけではないとも感じていました。
人生には他にもいろんなものがある。
仕事をしながら、趣味や人生を充実させることもできるはず。
いや、もっと言えば、好きな仕事を通して人生そのものを豊かにすることができるはず。
そう思ったのです。
「走るパティシエ」は、自分の生き方を体現する言葉だった
その思いを形にしていく中で、自分の中に出てきたのが「走るパティシエ」というあり方でした。
仕事だけをして終わるのではなく、
仕事も、趣味も、挑戦も、全部ひっくるめて人生を作っていく。
好きな仕事をしながら、好きなことにも本気で取り組む。
その両方をあきらめずに生きる。
それを、自分自身で体現してみたかったのです。
売上や仕事の管理、店の運営など、見直すことはたくさんあります。
それでも、洋菓子屋としてたくさんの人に喜んでもらいながら、大会にも出る。
そのための練習時間も作る。
そして好きなケーキ作りを通じて、自分の人生そのものも豊かにしていく。
それが、自分にとっての「走るパティシエ」です。
うつを経験したからこそ、伝えたいことがある
うつ病を経験したことは、決して良い思い出とは言えません。
本当にしんどかったし、あの時の自分には戻りたくないとも思います。
でも、その時間を通して、自分はひとつ確信したことがあります。
人生は、諦めなくていい。
そして、人生は思っているよりも、結構おもしろい。
もちろん、きれいごとだけでは生きられません。
苦しい時は苦しいし、簡単に前向きになれない日もあります。
それでも、少しずつでも歩いていれば、意外な形で景色が変わることがある。
あの時の自分には想像できなかった今を、自分はちゃんと生きています。
ケーキも、走ることも、その先にあるのは「生きること」
自分にとって、ケーキ作りも、走ることも、突き詰めれば「ちゃんと生きること」につながっています。
美味しいものを作って、人に喜んでもらう。
自分の体を動かして、少しずつ前に進む。
好きな仕事を通して、人生を豊かにする。
そういう日々の積み重ねが、今の自分を作ってきました。
まとめ:走ることは、自分の人生を取り戻すための一歩だった
「走るパティシエ」と聞くと、少し珍しい肩書きに見えるかもしれません。
でも自分にとっては、ただ目立つための言葉ではありません。
22歳でうつ病になり、苦しい時間を過ごした中で、
少しでも生き直したいと思って始めたジョギング。
そこから、体力を保ち、熱量を保ち、人生を前に進めるために走り続けてきました。
そして今は、好きな仕事をしながら、好きなことにも本気で向き合う。
そんな生き方を、自分なりに少しずつ形にしている途中です。
もし今、しんどい人がいたとしても、
人生はまだ諦めなくていい。
案外おもしろいこともある。
そんなことを、自分の生き方を通して少しでも伝えられたらと思っています。
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