お金とどう付き合い直すか──「守る」「生きる」「育てる」に分けて考えてみる

前回の第1話では、

「お金は稼ぐより“使う”ほうがむずかしい理由」

を、自分なりに整理しました。

今回はその続きとして、

じゃあ実際に、お金とどう付き合い直していけばいいのか?

について考えていきます。

完璧な正解がある話ではないですが、

僕自身が少しラクになった考え方を、いくつか紹介してみます。

h2 お金を「一つの塊」として見ない

まず最初にやってみてよかったのは、

お金を一つの大きな塊として見ないことでした。

なんとなく

残高=自分の安心感そのもの

みたいに感じてしまうと、

1万円減るだけでも大きな不安になります。

そこで僕は、ざっくりとお金の役割を

3つのゾーンに分けて考えるようにしました。

  1. 生きるお金(生活を回すためのお金)
  2. 守るお金(安心のクッションになるお金)
  3. 育てる&楽しむお金(自分の人生を豊かにするお金)

この3つに分けただけでも、

「全部を貯めておかないと不安」という感覚が、少し和らぎました。

h2 ① 生きるお金:淡々と回せればそれでいい

まずは、毎月の生活を回すためのお金。

  • 家賃・光熱費
  • 食費
  • 通信費
  • 仕事に必要な最低限の経費

ここは、感情をあまり乗せすぎず、

**「淡々と回すライン」**として考えます。

削りすぎてストレスになると、

結局どこかで爆発してしまうので、

無理なく続けられる範囲の生活コスト

を、現実的に把握しておくことが大事だと感じました。

h2 ② 守るお金:「ここまであれば、とりあえず大丈夫」のラインを決める

次に、「守るお金」。

ここは、

将来への漠然とした不安を、ある程度静めるためのゾーンです。

目安としては、

  • 半年〜1年分くらいの生活費

これくらいあれば、

もし今の仕事がうまくいかなくなっても、

いきなり人生が終わるわけではない。

と、自分に言えるようになります。

大事なのは、

「一生分の不安を消すお金」ではなく

「何かあっても立て直す時間を買うお金」

として位置づけること。

ここまで貯まったら、

それ以上は**「育てる&楽しむゾーン」にも意識的に回していく**、

というルールを自分の中に作ると、

どれだけ貯めても不安、というループ

から、少し抜け出しやすくなります。

h2 ③ 育てる&楽しむお金:ここは“ちゃんと使ってこそ意味がある”

最後のゾーンが、

自分の人生を育てたり、豊かにしたりするためのお金です。

  • 心と体の回復(休息・旅・趣味・ケア)
  • 学びや経験(セミナー、本、トレーニング)
  • 未来の自分を楽にする道具(仕事の効率化、健康づくり)

ここにお金を使うとき、

どうしても罪悪感が出てきやすいのですが、

守るゾーンがある程度できているなら、

ここは「使ってこそ意味が出るお金」だと考える。

と、だいぶ気持ちがラクになります。

h2 お金を使う前に、自分に聞いてみたい2つの質問

それでも迷うときは、

使う前に自分にこんな質問をしてみます。

h3 質問① 「これは“消耗”ではなく、回復 or 成長につながるか?」

  • ただ現実逃避のために使っていないか?
  • 買ったあと、少しでも心や体が軽くなるか?
  • 未来の自分が楽になる投資と言えるか?

ここで「回復」か「成長」に入るものは、

必要以上に自分を責めなくていいお金だと、僕は思っています。

h3 質問② 「安心のために使っている? それとも不安をごまかすために使っている?」

同じ支出でも、

  • 不安をごまかすための衝動買い
  • 不安を減らすための準備(治療・保険・仕組みづくり)

では、意味が全く違います。

不安をごまかすために使ったお金は、

一瞬だけ気持ちを楽にしてくれますが、

あとから自己嫌悪や後悔につながりやすい。

一方で、安心を増やすために使ったお金は、

「使ってよかった」と思えることが多い。

この違いを意識しておくだけでも、

お金の使い方が少しずつ変わっていきます。

h2 「使う練習」も、少しずつでいい

お金を使うことに罪悪感が大きい人ほど、

いきなり大きな金額から変えようとすると、苦しくなります。

僕がおすすめしたいのは、

少額から「使う練習」をしてみること。

  • 月に1回だけ、自分のための「回復費」を使う
  • ずっと気になっていた本を1冊だけ買ってみる
  • いつもより少しだけ良い食材で、自分の体を労ってみる

そうやって、

「あ、ちゃんと意味のあるお金の使い方もできるんだ」

という小さな成功体験を重ねていく。

この積み重ねが、

「使うこと」への恐怖心を、少しずつほぐしてくれる気がします。

h2 将来の不安はゼロにならない。でも「信頼」は増やせる

将来の不安は、どんなにお金があってもゼロにはならないと思います。

  • 体のこと
  • 家族のこと
  • 社会全体のこと

コントロールできない要素がたくさんあるからです。

でも、その一方で、

「何かあっても、そのときの自分なりにきっとなんとかする」

という**“自分への信頼”**は、少しずつ育てていける。

その信頼を支えてくれる一つの道具として、

お金を使っていけたらいいな、と思っています。

h2 お金は「自分の人生の温度」を整えるための道具

最後に、僕が今のところしっくりきているイメージを書いておきます。

お金は、人生のすべてではない。

でも、人生の“温度”を整えるための、大事な道具のひとつ。

  • 冷えすぎているところには、温もりを足す
  • 熱くなりすぎているところには、少し余白をつくる
  • 動けなくなっているところには、背中をそっと押す

そんなふうにお金を使えたら、

稼ぐことも、貯めることも、使うことも、

今よりもう少しやさしいものになるのかもしれません。

京都の洋菓子店「THE NICOLE」店主・ニコルです。
ふわふわシフォンケーキや体にやさしいスイーツを作りながら、マラソン・トライアスロンにも挑戦している《日本一走るパティシエ》でもあります。
若い頃から心と体について学び続けてきた経験を活かし、「おいしい」「楽しい」「またがんばろう」と思える時間をお届けするのがライフワーク。
ブログでは、お菓子作りのコツはもちろん、走ること・生き方・メンタルのことも、等身大の言葉で発信していきます。

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