なぜ「言われた通りにやること」も大事なのか
「言われた通りにやる」って、正直ラクです。
考えなくていいし、怒られにくいし、失敗しても心のどこかで
「言われた通りやっただけやし…」と自分を守ることもできます。
でも一方で、「言われた通りにやる」ことにはちゃんと価値もあります。
最初の段階では、ここを通ることがすごく大事だとも思っています。
基本の「型」を身につける時期
ケーキ作りでも、ランニングでも、仕事でも、
いきなり自分流で好き勝手やればいいかというと、さすがにそうではありません。
まずは 基礎の「型」を覚える時期 が必要です。
例えばケーキ屋なら:
- レシピ通りにきちんと計量する
- 手順を守って仕込みをしてみる
- 言われた通りの順番で準備・片付けをしてみる
ランニングなら:
- まずは教わったペースでEペースを走ってみる
- 指示された本数・距離でインターバルをこなしてみる
こういう「言われた通り」の積み重ねが、土台(ベース)づくり そのものです。
ここをまるっと飛ばして、最初から我流でやってしまうと、
土台がぐらついたまま上に積み上げようとしてしまいます。
「素直にやる」から信頼が生まれる
もうひとつ大事なのは、
言われたことを素直にやる人の方が、周りからの信頼を得やすい ということです。
- まずはお願いした通りに動いてくれる
- 分からないところはきちんと質問してくれる
この積み重ねがあるからこそ、
「じゃあ次は、この部分も任せてみようか」
と、任される範囲が広がっていきます。
だから、
「言われた通りにやる」こと自体は決して悪いことではなくて、
スタートラインとしてはとても大事な要素 だと思っています。
でも、「言われた通りだけ」では成長しきれない
ただし問題は、
「言われた通り」を “ゴール” にしてしまう ところにあります。
成長ゾーンは“自分で考えた一歩”の中にある
本当に伸びていくのは、
言われた通りを一度やってみた“その先”で、
自分なりの一歩を足してみたとき
だと思っています。
例えば、仕事や練習の中で:
- なんでこの順番なんやろ?
- もっと良くするなら、どこを変えたらいいやろ?
- お客さんが喜ぶのはどっちやろ?
- 今日の体調に合わせるなら、このメニューどうアレンジしよう?
こうやって 「自分の頭で一度かみ砕いてみる」時間 を持てるかどうかで、
数ヶ月・数年後の差は大きく変わってきます。
同じ「生クリームを泡立てる」作業でも、
- ただタイマーだけ見て淡々と泡立てる人と
- 生地の状態や気温、素材の違いを見ながら、泡立て方や時間を微調整する人
この差が積み重なると、
仕上がりの安定感や、応用力がまったく違うものになっていきます。
「全部与える」は成長のチャンスを奪うこともある
教える側・大人の側から見ると、
- 失敗してほしくない
- 困らせたくない
- 早く上手くなってほしい
そんな思いから、つい 何から何まで手取り足取り教えたくなる ことがあります。
でもそれをやりすぎると、
- 考える前に「正解」が出てくる
- 迷う前に「こっちでいいよ」とレールが敷かれる
結果として、
自分で考える必要がなくなってしまう こともあります。
「教えること=優しさ」
と捉えがちですが、
考える余白を残してあげることも、
ひとつの優しさなんじゃないか
と、僕は感じています。
ケーキ屋の現場で感じる、指示待ちと+αの違い
指示がないと動けない人のもったいなさ
お店の中でも、いろんなタイプのスタッフがいます。
- 指示されたことはきちんとやるけれど、それ以上は動けない人
- 指示と指示の間に、手が止まってしまう人
これは決して「ダメ」というわけではないけれど、
どうしても 成長スピードはゆっくり になりがちです。
- 言われた作業をきっちりこなす
- でも、次に何が必要かは自分では考えない
という状態だと、
「できることの範囲」がなかなか広がっていきません。
「これもやっておきましょうか?」と言える人は伸びる
一方で、伸びていくのはこんなタイプです。
- 「次、何をしておくと楽になりますか?」と聞いてくる
- 生クリームを立てながら、使い終わったボウルをさっと洗っておく
- 仕込みの流れを見て、明日以降の段取りを一度イメージしてみる
やっていること自体は、ものすごく特別なことではありません。
でも、そこにはいつも 「言われた通り+自分なりの一工夫」 が入っています。
この「+α」が積み重なっていくと、
- 仕事がどんどん楽しくなる
- 任される範囲が増える
- 自分の意見も言いやすくなる
そんな変化が自然と生まれてきます。
ランニングやトレーニングでも同じことが起きている
メニューを真似するだけでは記録が伸びにくい
トライアスロンやマラソンの世界も同じです。
ネットや本には、たくさんの練習メニューが載っています。
- ○ペースで△km
- 週に○回のインターバル
- 月間○km走りましょう
これを 「とりあえずそのままやってみる」段階 は、もちろん必要です。
でも、そこから先は
自分の生活・仕事・体調に合わせて、どう調整するか
という “自分の頭で考える時間” が大事になってきます。
例えば僕の場合:
- ケーキ屋の仕込みで立ちっぱなしの日は、Eペースだけにする
- 1日1時間しか取れないからこそ、ポイント練習の優先順位を決める
- 疲れが残っている日は、距離を削って質も落とし、あえてつなぎジョグにする
こういう調整もまた、
「メニュー通り+自分で考えた一歩」です。
「自分の頭で考えるランナー」はケガもしにくい
与えられたメニューに “絶対” で従ってしまうと、
- 体調が悪くても無理をしてしまう
- 痛みがあっても「メニュー消化」を優先してしまう
結果として ケガにつながりやすくなる こともあります。
逆に、
- 今日はここまでにしておこう
- この週は仕事がハードだから、ポイント練習は1回に絞ろう
- 今はMペースを優先、Iペースは次の期に回そう
そんなふうに 自分で判断して調整できるランナー は、
長く走り続けられることが多いと感じています。
大人側のテーマ:「全部教えない」勇気を持てるか
手取り足取りより“いっしょに考える”方がむずかしい
教える側・大人側の立場からすると、
正直なところ、全部教えてしまう方がラク なことも多いです。
- こうして、こうして、最後はこうしてね
- 失敗しないための注意点も、全部先に伝えておく
そうすると、確かにミスも減るし、目の前の仕事はスムーズに進みます。
でもその一方で、
相手の頭の中が動くチャンスは、減ってしまう
という面もあります。
- 「こうしたいけど、どう思う?」と一度相手に聞いてみる
- 「どっちがいいと思う?」と選ばせてみる
- 「一度やってみて、うまくいかなかったら一緒に直そう」と伝える
こういう関わり方は、少し時間がかかります。
でもそのぶん、「自分で考えた」という経験が相手の中に残る 気がしています。
失敗も含めて、その人の+αになる
もちろん、「全部本人任せ」で放り出すわけではありません。
- 危ないところ
- 絶対に外してはいけないポイント
ここは、ちゃんと事前に伝える必要があります。
そのうえで、
- 少し迷わせる
- 少し悩ませる
- 少し試行錯誤させてみる
その「少し」の部分こそが、
その人なりの+αが育つ場所 なんじゃないかなと思っています。
まとめ:「言われた通り+α」でしか見えない景色がある
- 「言われた通りにやること」には、土台を作る大きな価値がある
- でも「言われた通りだけ」で止まってしまうと、いつまでも同じ景色のまま
- 成長ゾーンは、言われた通りを一度やった上で「自分なりの一歩」を足してみるところにある
- 教える側も、全部教えすぎず「考える余白」を残す勇気が必要
考える力を奪わない。
そして、自分でもその力を手放さない。
「言われた通り+α」を、これからも少しずつ積み重ねていきたいなと思います。
――――
【THE NICOLE 店舗情報】
京都の洋菓子店「THE NICOLE(ザ・ニコル)」
ふんわりしっとり食感にこだわったシフォンケーキと、からだにやさしいスイーツをお届けしています。
〒602-8243
318京都府京都市上京区奈良物町481出水団地
営業時間:10:30〜16:00
定休日:月・火
▶オンラインショップはこちら
https://nicolesweets.theshop.jp/
▶ホームページはこちら
https://nicolesweets.theshop.jp/



コメント