小麦粉・油・砂糖の話。THE NICOLEのシフォンが“軽く感じる”理由

材料について

シフォンケーキは、材料だけを見るととてもシンプルです。

  • 砂糖
  • 水分(牛乳や豆乳など)

たったこれだけ。

でも、同じ「シフォンケーキ」という名前でも、

  • 一切れ食べるとどっしり重く感じるもの
  • ふわっとしているのに、あと口が軽いもの

と、印象は大きく違います。

ここでは 「小麦粉・油・砂糖」 に焦点を当てて、

THE NICOLE のシフォンがなぜ“軽く感じるのか”を、僕の感覚でお話しします。

小麦粉とコーンスターチ・米粉。「ふわふわ」と「しっとり」を支える粉たち

薄力粉=ふわふわ、強力粉=もっちり…だけじゃない

小麦粉は大きく分けると、

  • グルテンが少ない「薄力粉」
  • グルテンが多い「強力粉」

に分かれます。

一般的には、

  • 薄力粉 → ふわふわ・ホロっとした食感
  • 強力粉 → もっちり・噛みごたえのある食感

というイメージですが、

シフォンケーキの場合は「どちらをどれくらい」「ほかの粉とどう組み合わせるか」で、

食感のニュアンスが大きく変わります。

粉の量を増やすと、

  • 生地が安定して崩れにくくなる
  • カットしたときに形がきれいに出やすい

というメリットがある一方で、

  • 口に入れたときに“粉っぽさ”を感じやすくなる
  • 噛んだときに重たさが出て、軽さが失われる

というデメリットも出てきます。

僕は、

「ふわっと軽いけれど、頼りない感じにはしたくない」

という思いから、粉の量は 入れすぎず・減らしすぎずのギリギリのライン を探しています。

コーンスターチの役割は「軽さ」と「口どけ」

THE NICOLE のシフォンには、

小麦粉だけでなく コーンスターチ も少し加えています。

コーンスターチを入れることで、

  • グルテンが出すぎるのを抑えてくれる
  • 生地が軽く、ほろっとほどけるような口どけになりやすい

というメリットがあります。

イメージとしては、

小麦粉だけだと「しっかりしすぎてしまうところ」を、

コーンスターチが少し力を抜いてくれる

そんなイメージです。

商品によっては「米粉」もブレンドしている

商品によっては、米粉 をブレンドしているシフォンもあります。

米粉を入れると、

  • もっちりしすぎない程度の“しっとり感”が増す
  • 水分を抱え込んでくれるので、時間がたってもパサつきにくい

という良さがあります。

小麦粉・コーンスターチ・米粉。

それぞれの粉の特徴を組み合わせることで、

「ふわっと軽いのに、ちゃんとしっとりしている」

そんなバランスを狙っています。

シフォンには「植物油」を使うことが多い理由

バターではなく、液体の油を使う理由

シフォンケーキは、

バターではなく 液体の植物油を使うレシピが多いお菓子 です。

  • バター
    • コクや香りは強い
    • けれど、冷えると固まる
  • 植物油(米油など)
    • 香りは控えめ
    • 冷えても固まりにくく、なめらかさが残りやすい

もしシフォンにバターをたくさん使ってしまうと、

  • 冷めたときに生地の中でバターが固まる
  • しっとりというより「少し詰まった感じ」の食感になりやすい

つまり、あの「ふわふわでやわらかい」シフォンのイメージからは、

少し離れてしまいます。

その点、植物油は冷めても固まりにくいので、

シフォンの“やわらかさ”や“しっとり感”を邪魔しにくい油

と言えます。

僕が米油を選んでいる理由

植物油の中でも僕が 米油 を選んでいるのは、

  • においやクセが少ない
  • 口に残りにくく、あと口が軽い
  • 卵や粉の風味を邪魔しない

このあたりのバランスが、シフォンと相性が良いと感じているからです。

クセが少ないぶん、

  • ごまかしが効かない
  • 生地そのものがおいしくないと、すぐ分かってしまう

という“怖さ”もありますが、

だからこそ、

「生クリームがなくても、生地だけでちゃんとおいしい」

そんなシフォンを目指すには、米油のような油が合っていると感じています。

砂糖の役割と、「軽いのに満足感がある」甘さ

砂糖は減らせば良い、という話ではない

「軽いシフォン」と聞くと、

「砂糖を減らせばいいのかな?」と思う方も多いと思います。

もちろん、砂糖の量を減らせば

  • カロリーは下がる
  • 甘さの印象も弱くなる

という意味では“軽く”なります。

ただ、砂糖には

  • 卵白の泡を安定させる
  • 焼き上がりをしっとりさせる
  • 焼き色や風味をつける

という大事な役割があります。

ただ量を減らすだけだと、

  • 泡が安定せず、しぼみやすくなる
  • パサついた食感になりやすい
  • 「軽い」ではなく「物足りない」シフォンになる

という方向に行ってしまいます。

僕が大事にしているのは「甘さのキレ」と「余韻」

僕がシフォンで大事にしているのは、

軽いのに、ちゃんと満足感があること

です。

そのために意識しているのは、

  • ひと口目でちゃんと甘さと風味を感じること
  • 飲み込んだあとに甘さだけがベタッと残らず、スッと引いてくれること
  • 「もう一切れ食べたいな」と思える後味

この3つです。

その一つの手として、

種類によっては洋酒を少しだけ加えています。

たとえば、バニラのシフォン。

  • 生地自体はそこまで重くない配合
  • そこに ラム酒を少し加える

こうすると、

  • 口に入れたとき、バニラと一緒にふわっと香りが立つ
  • 飲み込んだあと、ラムの香りが静かに残って、余韻が続く

という、“軽いのに満足感がある”シフォンになります。

砂糖や油を増やすのではなく、

少しの香りや余韻で、満足感をプラスしてあげる

そんなイメージで、配合を組んでいます。

「軽いけれど、ちゃんと満足感がある」シフォンを目指して

小麦粉・コーンスターチ・米粉。

米油のような植物油。

砂糖と、ちょっとした洋酒。

どれも特別な材料ではありませんが、

その選び方や量のバランスで、シフォンの印象は大きく変わります。

  • 粉の組み合わせ → ふわふわ/しっとりのバランス
  • 植物油 → 冷めてもやわらかい食感と、あと口の軽さ
  • 砂糖と香りづけ → 甘さのキレと、口の中に残る余韻

THE NICOLE のシフォンは、

「軽いのに、ちゃんと満足感があって」

「日常の中でも、気軽に食べ続けられる」

そんなシフォンでありたいと、僕は思っています。

一切れ食べたあとに、

  • 「もう一切れいけそう」
  • 「明日の朝ごはんにも食べたいな」

と感じてもらえたら、

粉や油や砂糖と向き合ってきた時間が、報われる気がします。

THE NICOLE のシフォンケーキをオンラインでも

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

粉や油、砂糖の話を書いてきましたが、

こうやって一つひとつの材料と向き合いながら、僕は毎日シフォンを焼いています。

「軽いのに、ちゃんと満足感がある」

「毎日のごほうびに、気軽に食べられる」

そんなシフォンを目指して、

小麦粉・コーンスターチ・米粉のバランスや、米油の量、砂糖の配合を少しずつ調整してきました。

朝ごはんにも、差し入れにも。日常で楽しんでほしいシフォン

THE NICOLE のシフォンケーキは、

  • 朝ごはんのパン代わりに
  • お仕事の合間のおやつに
  • スポーツ後の“ごほうびおやつ”に
  • 手土産や差し入れに

日常のいろんな場面で、気軽に食べてもらえるように配合を組んでいます。

種類によっては、

ラム酒などの洋酒をほんの少しだけ加えて、

軽いのに味わいの余韻が続くシフォン になるように仕上げています。

全国どこからでもご注文いただけます

お店に来られない方にも楽しんでいただけるように、

シフォンケーキはオンラインでもご注文いただけます。

▶︎ THE NICOLEオンラインショップはこちら

「一度お店のシフォンを食べてみたい」

「この記事を読んだら、なんだか気になってきた」

そんな方は、ぜひオンラインショップものぞいてみてください。

画面の向こうのキッチンから、丁寧に焼き上げてお届けします。

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【THE NICOLE 店舗情報】

京都の洋菓子店「THE NICOLE(ザ・ニコル)」
ふんわりしっとり食感にこだわったシフォンケーキと、からだにやさしいスイーツをお届けしています。

〒602-8243
318京都府京都市上京区奈良物町481出水団地
営業時間:10:30〜16:00
定休日:月・火

▶オンラインショップはこちら
https://nicolesweets.theshop.jp/

▶ホームページはこちら
https://nicolesweets.theshop.jp/

京都の洋菓子店「THE NICOLE」店主・ニコルです。
ふわふわシフォンケーキや体にやさしいスイーツを作りながら、マラソン・トライアスロンにも挑戦している《日本一走るパティシエ》でもあります。
若い頃から心と体について学び続けてきた経験を活かし、「おいしい」「楽しい」「またがんばろう」と思える時間をお届けするのがライフワーク。
ブログでは、お菓子作りのコツはもちろん、走ること・生き方・メンタルのことも、等身大の言葉で発信していきます。

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